甲状腺

甲状腺がんの種類と治療法

甲状腺は、正面下方に、喉頭(のどぼとけ)につづく気管を取り巻くように位置し、生体が正常に機能するのを助ける重要なホルモンを産生している。
甲状腺がんとは、この“甲状腺”にできるがんのことである。


甲状腺がんの頻度は、全がん症例の1%程度である。
性別は女性に多く、男性の約3倍であり、また年齢では、25〜65歳の人に多く発症し、50代、40代、30代に多い。

また、甲状腺がんは、20〜50歳の女性に多く、子供がかかることも珍しくない。
首に放射線治療を受けたことのある人は、そうでない人よりも甲状腺がんになりやすいといわれている。


甲状腺がんは、「乳頭がん」「濾胞がん」「髄様がん」「未分化がん」の4種類に大きく分類される。

このうちの、乳頭がん、濾胞がん、髄様がんの三つは比較的おとなしい性質で、治癒率も高いという特徴がある。
一方、未分化がんは、発生率はわずかだが悪性度が高く、初期から全身倦怠感や体重減少などの症状が現われ、急速に全身に転移するというやっかいなものだ。


甲状腺がんの治療としては、手術が一般的である。
甲状腺は、チョウが羽を開いたような形をしており、チョウの羽に当たる部分を“葉”と呼ぶが、がんが左右二つの葉に広がっている場合は、手術で甲状腺を全部摘出する。

甲状腺は、体に必要不可欠な“甲状腺ホルモン”を造る臓器であるため、手術で甲状腺を摘出した後は、ホルモン剤を一生服用しなければならない。
一方、がんが一つの葉にとどまっている場合は、その葉を切除し、もう一方のがんに冒されていない方の葉は温存するため、ホルモン剤の服用は必要ない。

甲状腺がんでは、この他に放射線治療や化学療法も行なわれる。
また、手術で甲状腺を患者に対し、再発防止や転移したがんを死滅させる目的で“放射性ヨード”を用いた治療が行なわれることがある。

edit